アメリカの社会心理学者・ボガーダスの社会的距離スケール 偏見の程度を知る方法

偏見をなくそうと努力するためには、偏見がどの程度のものかを客観的に知っておく必要がある。そこで、最後に、偏見の程度を調べるためには、どのような方法が用いられているかを述べておこう。

アメリカの社会心理学者・ボガーダスは1925年に、次のような社会的距離スケールを作製し、アメリカ人の他の民族集団に対する社会的距離を調べた。すなわち、社会的距離が近ければ近いほど偏見が少なく、距離が遠いほど偏見が強くなる可能性も大きいというわけである。

ボガーダスの社会的距離スケール(近い順)

1.婚姻によって、密接な親戚関係を結ぶこと
2.親友として私のクラブに入ること
3.隣人として私の町内に住むこと
4.アメリカ国内で私と同じ職業につくこと
5.アメリカの市民権を与えること
6.旅行者としてアメリカに入国させること
7.アメリカ国内から排斥すること

この他にも偏見を調べるには心理学的にいくつかの方法があるが、要は、偏見とたたかうためには、その社会現象としての実態をあらゆる努力をはらって明らかにすることがまず肝心なことなのである。

社会を動かしている偏見は、どのように精神障害者を見るかという点からも理解できる。中世の魔女も現代の精神障害者も、また政治上の特別なレッテルをはられた人々も同じように偏見の被害者であったのである。

— posted by Arquite at 11:04 am