「おひとりさま」が直面する現実!やっぱり「おふたりさま」が安心です

「全財産を使いきって死ぬなんて、とてもできない!」そんな人も多いはずです。たしかに、全財産を使いきるのはタイミングも難しいし、イザというときに頼れる子どもなどがいないと難しいかもしれません。ただ、ひとつだけ確かなことがあるとすれば、年金の平均額などを見てもわかるように男性でも女性でも、ひとり暮らしは厳しいということです。ひとりで老後を過ごすことは、少なくとも金銭的には年金収入だけの人は間違いなく貧困層の部類に入ることになります。

熟年離婚とか、おひとりさまの老後といった形で、長年連れ添った夫を捨てて、自由気ままな老後を選択する女性が増えているようですが、実は非常に厳しい老後を強いられる可能性が高いのです。65歳の年金受け取り開始時はいいかもしれませんが、その後どんどん年齢を重ねていけば、より厳しい老後を強いられることは間違いありません。65歳以上の単身女性の5人に1人は貧困層だというデータがあります。今後はさらにその傾向が高まるものと考えられます。

おひとりさまの老後を心配するのもいいですが、結婚相手でも、兄弟でも姉妹でも気のあった友達同士でもかまわないから、老後は2人以上で迎えることをおすすめします。ベストセラーになった東大教授・上野千鶴子さんの「おひとりさまの老後」(法研)は「女性のほうが長生きするから女性の大半はいずれ”おひとりさま”になる。それなら我慢して結婚生活を続けることもない。」といった考え方で、結婚生活に不満のある女性や独身女性の支持を得ました。しかし、どうも全体の設定が金銭的に豊かな女性になっているような気がしてなりません。

経済的に豊かな女性であれば、おひとりさまで生きることも将来的には介護施設の整った有料老人ホームなどに入ることも可能です。しかし、有料老人ホームは入居するだけで1,000万円とか2,000万円の一時金が必要 ですし、さらに入居している間ずっと10万円とか20万円の生活費や維持費がかかります。食事はついているから食べるのには困らないかもしれませんが、普通の単身女性はこういうわけにはいきません。

こんな豊かな老後が過ごせる人は、おひとりさまで当然生きていけますが、普通の単身女性や貧困層に属している女性にはありえない話です。これは単身の男性にもいえることです。男性でもよほど豊かな人、もしくは充実した年金制度に加入していなければケア付きの有料老人ホームやケア付きマンションなどに入居できません。

今後の日本では「おひとりさま」で生活できるのはごく一部のお金持ちだけだと思ってください。やはりこれからの老後は「おふたりさま」でなければ生活できない。精神的なもの、夫婦の絆といったものはさておき、ひとりで自由な生活をしたいと願う以前に生活のためには夫婦関係を解消してしまっては生きていけないし、また夫にはできるだけ長く生きてもらわないと女性の最後は生活保護を強いられると思ったほうがいいかもしれません。

とりわけ100年に一度の経済危機に見舞われている現在、世界はようやく回復しつつありますが、景気を立て直すために各国政府がとった経済政策のために、世界中に過剰なマネーを流通させてしまいました。いわゆる「過剰流動性」という状態です。この影響は将来どこかで必ずあらわれてくるはずです。過剰流動性のツケはインフレという形で現れます。年金暮らしの高齢者にとってインフレはもっとも避けたい事態です。激しいインフレに見舞われれば、あっという間に年金だけでは食べていけなくなってしまうからです。

そういった可能性も考えると、やはり「おひとりさま」ではとても不安で生きていけません。「夫婦ふたりの老後」、もしくは夫婦でなくとも誰かパートナーを見つけて生きることを強くおすすめします。その上で今までとは全く異なる発想で長い老後を生き抜く努力が大切です。自分か住んでいる家を賃貸に出す、あるいは家を担保にローンを組んで暮らす。さもなければ田舎や海外で暮らすといった方法も考えられます。海外には高い円の力を借りて年金収入だけ、もしくは金利収入だけで暮らせる地域がいろいろあります。柔軟な発想で長い老後を生き抜く知恵を絞ってみましょう。

— posted by Arquite at 05:48 pm