高齢化社会は自分たちの問題である

最近、核家族化が進んでおり、家にお年寄りのいない家庭が多くなってきた。自分が、または家族が年をとり、しかも体の自由がきかなくなったときにはどう対処すればいいのか。まごつくばかりでは解決しない。いつも老人と接しておれば、自分の問題として考えることができる。若者にとって、高齢化社会はまさに自分たちの問題であり、自分自身が挑戦していかねばならない問題なのだ。

大分県では毎年、世界中から選手が集まり、車いすマラソン大会を開いている。手だけで車輪をこぐわけだから、普通のマラソンよりはるかにきつい。それでも、四二・二九五キロを一時間四〇分で走ってしまう。マラソン選手よりも早いわけで、必死に車輪をこぐ姿には感動を覚える。ちなみに、平成元年の大会の最高齢者はアメリカのマキシムーローデスさん、七六歳。大の大分ファンで、この大会には三回目の出場。この年の選手宣誓もやった。大分には若い「ローデスファン」がたくさんいる。ローデスさんは何も語らずとも若者たちに何かを教えてくれる。

平成元年に、社会福祉士や介護福祉士の国家資格制度ができた。県下でも勉強して資格をとろうという生徒が多い。同年四月、大分市に「九州テクニカル専修学校」が開校。西日本ではただ一つの社会福祉士と介護福祉士となるための養成校だ。二〇歳前後の学生が中心だが、主婦や他の職業からの転職組もいる。介護福祉士なら二年間の課程を修了すれば資格がとれるが、社会福祉士になるためには一年間の課程修了後に、国家試験に通らなければならない。

翌年、同校にとっては開校して初めての社会福祉士試験となった。受験者二一人中、合格者一五人。合格率七四%。全国平均の合格率二三・四%に比べるときわめて高い。これも福祉先進県・大分の若者たちの意欲の表れだ。福祉も結局「Aづくり」なのである。


— posted by wgft at 12:28 pm